事例:設計と試作

「設計」といっても製品のサイズ、重量、箱の用途も様々です。

どんな風に課題をクリアしていくか、その経緯をご紹介します。

家電の箱と台紙

組み立て易く収納力もバツグンな箱

家庭用機器を販売されているお客様より、「輸送時に使用している製品保護用の段ボール台紙が組み立てづらく時間が掛かるのでどうにかしたい」とのご相談を賜りました。実物を拝見しますと、パーツが3種類に分かれており形状もマチマチ、展開図が大きいものもあり、確かに組み立てが大変そうでした。その他にも具体的な条件として、

  1. 組み立てやすくしたい。
  2. 本体をしっかり固定できる。
  3. 消耗品を入れるスペースがいくつか欲しい。
設計と試作 図解

などなどございました。本体以外の付属品もかなり多い製品ですので、空間を空けるのが非常に難しい案件で、ハードルが高いと思いながらも、折角のご相談でしたので、引き受けさせて頂きました。

まずは上下で入れるか、横に入れるか…アレコレ試行錯誤

最初の打ち合わせ段階で、製品本体と付属品を横並びに入れるか、それとも上下にするかで悩みました。

「上下に入れたら重さで潰れてしまうとまずい」

「いやいや、材質を固くすれば潰れないだろう」

「そもそも一体型でこれだけのパーツを網羅するのは無理」

など、いろいろな考えが出ました。

ただ、現状の外装は横長で、平たく持ちづらく感じていましたので、最終的には製品を上下に納めて外装をコンパクトにしようと結論づけました。

持ち運びが楽で、なおかつ展開サイズが小さくなることで、生産コストや配送コスト削減にもなるというメリットもあります。

横幅の比較図解
設計のポイント画像
製品に合った適正サイズには こんなメリットもあります。 ①持ち運ぶ時に楽。 ②展開サイズが小さくなり、 配送コスト削減も可能。 設計のポイント

そして試作を重ね、何パターンかご提示した結果、次のような形状で決定しました。

一見複雑そうでも組み立ては簡単!さらに緩衝効果も高い!

「一石三鳥」の機能を持った台紙が完成しました。

ひとつの台紙を2つ組み合わせた画像

段差のある台紙を…

2つ向かい合わせて上げ底を作り、

外装にセットします。

今回のような製品を固定するには、通常は段ボールですと緩衝材は1つのパーツで作るのがよくあるパターンですが、写真のようにパーツを2つに分けることでより高い緩衝効果を得られるようにしました。2つの台紙で製品を底上げしているので、運搬時に直接的な振動を受けませんし、外箱も蓋のフラップ部分を2重にして更に緩衝効果を高めました。

では、組み立て方を紹介します。

右の空いている空間にはリモコンなどの消耗品が入ります。段ボールを一部立ち上げることで製品を支える部分を作り、下の空いた空間にも消耗品を入れられるように設計をしました。製品のサイズが大きいので同じパーツを2つ利用して強度を出し、しっかりと製品を支えます。

設計と試作 file01組み立て方1
設計と試作 file01組み立て方2

2回折り込むと大体の形状が見えてきます。この形状のものが2つで一組となっています。一見すると複雑ですが、組み立て方も理解しやすく、慣れるとその分早く作業ができるようになっています。

設計と試作 file01組み立て方3

2つ組み立てて、向かい合わせにセットしたら完成です。

 

設計と試作 file01組み立て方4

左の写真は3の台紙2つを外装にセットした状態です。蓋のフラップはこのように折り返して2重になるように設計しています。高価な製品をより安全に運べるように配慮を尽くしました。

室長のアレコレメモ

サイズが異なる本体の固定方法や各消耗品の収納スペース確保など、クリアすべき条件が多い案件でしたが輸送テストに合格した時は安心しました。最後の収納アイディアが出るまで生みの苦しみを味わいましたが、お客様に満足頂けて非常に良い経験でした。

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